《停念堂閑記》151

《停念堂閑記》151

 

「停念堂寄席」」88

  

 

少子化問題

 

 

ようこそ、「停念堂閑記」へ。よくお越し下さいました。厚く御礼申し上げます。 

ここでの話は、相も変わらぬ、毎度、毎度の代わり映えのしない、アホくさい、バカバカしい、クダラないと言う三拍子を兼ね備えた、行き当たりバッタリの、底、奥行きの浅い、要するにマヌケな話で御座います。

しかし、取り柄もございますよ。深刻にならないところです。夜、眠れなくなったりしませんからね。

すぐに忘れちゃっても、なんら問題は御座いませんよ。 

なんちゅったって、目的がヒマ潰しですからね。

あるお方が申しておられましたよ。

ヒマ潰しにやることは、須(すべか)らくアホくさいものだと。

毎度毎度の《停念堂閑記》がそれを証明しておりますからね。 

定年後の御同輩、きっと、持て余しているのでは。

毎日のヒマを。

お互いに、持て余しているヒマを、なんとか、あの手、この手で潰さなくては、ならないのですよ。

しかしですね。これは、これで、なかなか。ケッコウ手間隙かかるのですよ。

手間隙かからなかったら、ヒマ潰しにならないだろうって、ですか。

その通り。至極、ご尤もなご意見で御座います。同感、同感で御座いますよ。 

と言うことで、本日も張り切って、手間隙を惜しまず、たっぷり手間隙をかけて、連日のヒマと言う強敵に挑むことに致しましょう。

 

打倒! ヒマーッ!

A A O!  エイエイ、オー!!

ヒマ潰しとは、申せ、些か次元の低い、掛け声でんなー。

情けねー! トホホ。

   

《こちら六さんです。さて、今日も今日とて、あいも変わらず、御隠居の処で、ヒマ潰しとするか。

御隠居、防犯装置を取り付けたからな。行ったら、まず、このカードを御隠居の家の門に取り付けられたカメラにかざす様にと言う事だな。あとは、案内のAIの声に従う様に、と言う事だな。このカードを忘れたら、門前払いと言う事だ。カードを忘れてはなんねーなと。このカード、ポイントつくのかね。何点溜まったら、特上になるのかねー。

オーイ、カカー。ちょっくら御隠居の処へ行って来るぜー。》

<アイよー。ゆっくりしといで。帰って来なくてもいーから。>

《いちいち憎ったらしい事を言いやがるね。帰って来なくてもいー、だってよ。そのくせ直ぐに迎えに来るくせに。

 

おっ、着いたね。このカメラだな。へいへい、カードをこうかざしてと。》

〝これは、六さん、今日も相変わらずヒマなようですね。〟

《うるせーや。AI野郎、気楽に六さんなんて呼ぶんじゃねーよ。ヒマだろうが、忙しかろーが余計なお世話よ。トットと開錠しろってんだ。》

〝それでは早速ですが。六さん。今日は、謎掛けに挑戦してもらいますよ。皆をうならせる様な秀作を期待してますよ。

《今日は、謎掛けときたか。皆をうならせる様な秀作だと、気楽なことを言ってんじょねーよ。AIよ、とやかく言うのなら、お前が作ってみろってんだ。》

〝 私は、そのような立場には御座いません。〟

《ハァー、どんな立場にいるんだ ? 》

〝そりゃー、六さんが来たら、課題を出す立場ですよ。できた作品を適当に評価し、開錠の是非を判定するのですよ。

無駄話は禁物です。

それでは始め。残り2分59秒、58秒、57秒、早く取り掛かった方が良いですよ。時間がなくなりますから。〟

《てやんで。オイ AI 、なめんじゃーねーぞ。謎掛けなんざーお茶の子さいさいよ。》

〝 時間がどんどん無くなりますよ。〟

《やいAI、これでどうだ。

 「一人キャンプの焚き火」と掛けて

〝ハイハイ「一人キャンプの焚き火」と掛けて、なんと解きます。〟

《「サツマイモ」と解く。》

〝その心は。〟

《「焼き芋を一人占め」。》

〝はー、こんな程度ではあきまへん。ピリッとしたところが伺えませんな。平凡なサードゴロ。アウト。〟

《それでは、これはどうだ。

 「彼女とのキャンプの焚き火」と掛けて、》

〝「彼女とのキャンプの焚き火」と掛けて、なんと解きます。〟

《「サツマイモ」と解く。》

〝その心は。〟

《「焼き芋を半分こして、アツアツ」。》

〝あのね、六さん。柄にも無いことを言っては、いけませんよ。ファールフライ、あっさりとられ、アウトです。〟

《それでは、これはどうだ。

 「彼女とのキャンプの焚き火でサンマを焼いていた時」と掛けて、》

〝「彼女とのキャンプの焚き火でサンマを焼いていた時」と掛けて、なんと解きます。〟

《「野良猫にサンマを持って行かれた。」と解く。》

〝その心は。〟

《「彼女が驚いて、キャット叫んだ」。》

〝はー、六さん。ダジャレときましたか。折角、作ったのだから大マケにおマケして、サツマイモよりは、若干マシでしょうかね。。サードゴロ、イレギュラーして、かかろうじて、辛くもセーフとします。オマケですよ。〟

《それでは、これはどうだ。

もー、キャンプには行かねーぞ。

ガラッと行く先を変えて、自民党本部へ行くことにするぞ。》

〝えーッ、自民党本部へですか。気をつけて下さい。迂闊に近づくと、不審者扱いされて捕まってしまいますよ。〟

《誰が、本当に行くかよ。謎掛けでいくだけだよ。》

〝あーよかった。六さんが捕まってしまったら、しばらく休業になり兼ねませんからね。〟

《なんで、捕まっちゃうと決め付けるだよ。オラの様な善人の塊が、捕まる訳がねーだろうが。》

〝さーね、それはどーでも良いです。残り1分ですよ。〟

《なにが残り1分だ。お前が時間使ってるんだぞ。ふざけんじゃーねーよ。まったく。

それでは、これでどうだ。

 「自民党は、 発電でCO2を出さないために、原発を再稼働させる方針を示したとさ」と掛けて、》

〝「自民党は、 発電でCO2を出さないために、原発を再稼働祖せる方向を示したとさ」と掛けて、なんと解きます。

《「違法ゴミ投棄」と解く。》

さて、その心は。〟

《「CO2は止めても、どんどん出る核のゴミの方は、延々と出しっ放しかよっ。間が抜けてないか。」。》

〝あのね、六さん。今度は、少しだけ良いですよ。六さんには、めったにない大変珍しい事です。この際、大マケにおマケして、2塁打、1得点入ったことにします。〟

《なにが2塁打だ。ケチらず本塁打にしろよ。またまた算数的判断に走っているのでは無いか。お払い箱を忘れてはいないだろうな。》

〝イヤイヤ忘れては、いませんよ。お払い箱は困りますからね。開錠です。どうぞ、お入り下さい。御隠居様に、どうぞ宜しくお伝え下さいませ。〟

 

《御隠居。今日もやって参りましたよ。》

『六さん。いらっしゃい。どうぞ、お上り下さい。

今日は、AIと揉め事を起こしませんでしたか。』

《お払い箱を忘れるな。と言ってやったところ、どうぞ、お入り下さい。御隠居様に、どうぞ宜しくお伝え下さいませ。だってさ。オベッカ言いやがって。どんなデータが入っているのかね。御里が知れるわ。ホント。》

『私は、作成に関わっていませんからね。誤解の無いようにお願いしますよ。』

《本当ですかー。どうもチョット怪しいところがあるみたいですなー。》

『そんな事は、御座いません。気の回しすぎですよ。

ところで、早速ですが、今日の話題は何を用意して来られましたか。』

《御隠居。今日はとても難解な、どえらく真面目なのを用意して参りましただよ。》

『どえらく真面目なのですか。六さんにその様に言われると、恐ろしくなりますね。どうか、お手柔らかにお願い致しますよ。』

《と言のは、以前からしょっちゅう指摘されているだが、一向に進展する様子のない、「少子化」問題と言うヤツですだよ。御隠居は、こう言うの得意ですだべ。政治家の連中が、相当困っている状態の様だから、何とかしてやって下せーよ。》

『全然、得意では御座いませんよ。これは、恐ろしくとてつもなく厄介な問題ですよ。チョットやソットでは、ニッチもサッチも行かない問題ですよ。きっと。こう言う問題こそ、六さんの得意とするとこではないですか。取り敢えずは、門番のAIとやりあっては如何でしょうね。』

《まー、アッシは不得意なものを除いては、全部得意でやんすがね。何でも御座れっちゅーところですだな。AIなんぞ、数のうちにヘーリませんだよ。御隠居、何か相談事でもありますだか。》

『相変わらず、調子の良いこと。それだったら、「少子化」問題なんぞ、チョチョイのチョイで片付くのではないですか。』

《御隠居、残念でした。他の事であれば、チョチョイのチョイなんだれけど、「少子化」問題だけは、あきまへんねん。これは、完全に御隠居の守備範囲ですだよ。》

『勝手にそんな事決めちゃって。参りましたねー。』

《何も参る事はねーでしょー。要点だけチョチョチョのチョイとやれば、後は特上の件が残っているだけだから、直ぐに終わりますだよ。

では、御隠居、どうぞ。》

『特上の件ですか。それは、忘れ去る事にしまして、要点だけチョチョイのチョイと参りますかねー。』

《特上の件は、忘れ去ってはならねーだよ。これが一番の問題なのでやんすよ。「少子化」問題の方は、御隠居の独偏(独断と偏見の略語》で、要点だけチョチョチョのチョで、一件落着ですだよ。それでは、オネゲー致しますだよ。》

『まったく、六さんには敵いませんね。

まず、「少子化」問題についての要点は、まー、この問題設定により、色々な見方が出来ると思われますね。

例えば、「少子化」による良いと思われる点と困ると思われる点を単純化して羅列して見るとしますか。』

《へー、アッシは、「少子化」と言うと、悪い事ばかりかと、思っていただよ。良いこともあるだか。御隠居。》

 

『まず、良いと思われる点については、出生数が減少すると言う事は、人口が減少すると言う事になりますね。まずは、人口が減少すれば、人々の生活に必要なものが万事少なくて済むと言う事が挙げらりますね。衣料、食料、住宅、電気、ガス、水道、交通、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、病院、老人向け施設等々すべて少なくて済むと言う事になりますね。と言う事は、これ等の事柄に関わる政治、行政、司法等公的、および個人的な金銭的側面については、すべて少額化となるので、この点については、良い、望ましいと言う事になるでしょうね。

具体的に分かりやすく言えば、例えば、衣料、食料、住宅、電気、ガス、水道等についての生活に必要とされる量が少なくて済む、と言う事になりますね。また、交通・各種イベントの混雑も緩和されますね。単純に考えると、その為の経費も少なくて済む、と言う理屈になりますね。食料品なども、日本は、専ら輸入に頼っている現状ですが、これが自給可能となるかも知れませんし、輸入依存が軽減されますね。発電もCO2・核のゴミを出さず、自然力を利用したもので用足りる事になるでしょうね。交通面についても、渋滞、混雑が緩和されるでしょうし、高額な費用が必要な鉄道・道路の建設・整備も少なくて済む事になるでしょうね。はたまた国民が大好きな各種のイベントも、混雑せず、参加しやすくなるだろうし、人気の美味いもの屋さんにも、やたら長い行列を作らずに、待たなくて済むでしょうしね。子供数が減少すれば、保育園・幼稚園も利用しやすくなるでしょうし、学校教育も、やたら小難しい学校に行かずとも、余裕のある教育が可能になるかも知れませんしね。就職だって、働き手の数が減少すれば、しめたものですよ。ずっと就職しやすくなりますよ。企業も、待遇を良くしなくては、人を集める事が出来ませんから、仕事の内容を楽にして、給料を上げなくてはならなくなりますから。

例えば、この様な側面は、「少子化」歓迎、と言う事になりますね。』

《「少子化」、オラ、大歓迎だな。良い事づくめだな。結構結構。「少子化」良いぞ良いぞ。ねー、御隠居。》

『それは、良いところだけ見ていれば、結構結構と言うことになるかも知れないけれど、困る側面を見ると、こちらの方は、ど偉く深刻ですよ。』

《エーッ! 「少子化」いーぞ、いーぞ、行け行け! とはならねーのですかえ。御隠居。》

『ソリァー、六さん。世の中、表があれば裏もあるのですよ。表裏一体、両面くっついてますからね。』

《なるほど、特上もあれば、並もあるってー事かね。御隠居。》

『イヤイヤ、それとこれとは、全然関係ない話ですよ。六さんは、直ぐに特上方面へ舵を切りたがる悪いクセがありますね。「少子化」問題と特上と並の話とは、全く別問題ですよ。』

《だって、御隠居は表裏一体と言ったばかりではねーですか。》

『あのね、六さん。ここでは、特上とか並と言う事とは、一旦離れましょう。きりがありませんから。』

《それでは、一旦と言うことで、手を打ちますべか。御隠居。》

『まったく参っちゃいますね。話を「少子化」に戻しますよ。しかし、どうして「少子化」問題に特上だの並だのと言う事が結びつくのかね。』

《御隠居、何か言ったかや。》

『イヤイヤ、気にしなくて良いですよ。

ところで、「少子化」に関わり、困る点ですが、具体的な問題となると、山盛り存在していそうですね。』

《御隠居、特上であれば、山盛りでなくても良いだよ。》

『特上は、関係ないと言っているでしょう。

ところで、「少子化」の問題が、どうして、すこぶる難儀な課題なのかと言う点について考えてみますと、要するに、従来、政治的、社会的に関わる諸問題が、その時々の人口を前提として進められてきた経緯があるからではないでしょうかね。

大雑把に、分かり良く言ってしまえば、現在の社会は基本的には、現人口に見合わせて作られて来たわけで、この根底の人口が減少して来ているので、その減少に伴う新しい社会作りをしなくてはならない、と言う事態になっているわけですね。

すなわち、「少子化」は、社会のすべての問題に関わる事で、例えば、台風で橋が破壊されたので、急ぎ橋を修復した。と言う様な、問題の部分を対策すれば、何とか問題が解消されると言う様な単純な対策では、手に負えない状況にあると言う事ではないのでしょうかね。すなわち、衣料、食料、住宅、電気、ガス、水道、交通、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、病院、老人向け施設等々すべての事柄が、人口に応じて設定されていなければ、国民の生活が難儀になると言う状況になると思われるのですよ。だから人口の減少に即した形に社会を再構築しなければならない訳で、これは大変な事態なのですよね。どうします。六さん。』

《突然どうします。なんて言われたって、それは特上にする以外の対策は、オラには思い浮かばねーだよ。》

『あなたね。衣料、食料、住宅、電気、ガス、水道以下等々の諸課題を、全部特上でやれば良いと言うのですか。そんな能天気な事を。例えば、防衛面だけをみても、現状より幾分大盛りに近付けたい、と言う事で増税しなくてはならないと政府・与党が言い出しましたよ。この対策についてだけでも、てんやわんやの大騒ぎになるのですよ。これを特上にしたいなどとなったら、どうなります。』

《と言う事は、「少子化」の問題について、政府・行政は何もしてこなかった、もはや出来ないと言う事だか。御隠居。》

『何もしなかった、と言うより、根本的な対策を、何も出来ていない、と言うべきでしょうかね。ただただ目先の問題処理に終始し、将来対策をできてなかった。と言う御粗末の一語ですね。私の独偏(独断と偏見)ではね。』

《と言う事は、これまで国会議員の先生方は、御粗末な対策しか出来なかった、と言う事だか。》

『私の独偏ではね。「少子化」による人口の減少については、その分野の専門家によって、随分以前から指摘されていた事ですよ。しかし、それに耳を傾ける有能な国会議員の先生が、居なかったと言う事でしょうね。若しくは、僅かにいても、政府を動かせる力とはならなかった、と言う事でしょうね。とにかく、国会議員の先生は、選挙で当選してしまうと途端に偉い存在となるのでしょうね。自己の判断に固執して、他者の意見を聞こうとする耳を持たなくなってしまう様ですよ。「少子化」の問題に限らず、全ての事柄について、他者、特に専門家の意見を聞いてみようと言う事は考えない存在になる様ですな。尤も、聞くだけではダメだけれどね。とにかく国会議員になると、どこででも「先生、先生」と持ち上げられる存在となりますからね。先生たる者、何でも知っている存在と勘違いしてしまうのでは無いのでしょうかね。先生たるものが、他者から教わる立場には無いと思っているのでは無いのでしょうかね。』

《どうして、何かの問題について、対策を立てようとする時に、まずは、その筋の専門家の意見を聞いてみようとは思わないのかやー。ねー、御隠居。》

『それですねー。ちゃんと理由があるのだと思いますよ。』

《御隠居、その理由とは何ですだべ。》

『それはね。六さんだけにこっそり教えましょうか。それは、専門的な研究者は、その研究成果を論文にして、世に出し、それに対する意見を広く求めると言う手法をとるのだけれど、その論文は、結構小難しいものなのですよ。専門家でない人が読んでも、直ぐには理解しにくい性格があるのですよ。だから、国会議員の先生の多くは、そんな小難しい理解し難い論文を読んでみようと言う気が起こらないのでしょうね。

更にね、だいたい、専門的な論文は、日本語で書かれているとは限りませんからね。気軽に読む、なんて事はなかなかね。そして、そんな小難しい論文には、次回の国政選挙でどの様にして、得票をより多く獲得できるか、と言った、国会議員先生の最も関心の深い選挙対策などは書かれていないのですよ。だから、結局のところ専門家の意見は、なかなか国会議員の先生の耳には入りづらい、と言う事になるのでしょうね。』

《どうして、能力のある国会議員の先生はいないのかね。御隠居。》

『それは、決まっているではありませんか。国政選挙の時に、候補者の中に有能な人がいなかったり、国民有権者が能力のある候補者を選ばなかった、若しくは、選び損ねてしまった、と言う結果なのではないのでしょうか。』

《それにしても、「少子化」の問題について、誰か一人くらい、国会議員の先生が、一言二言でも、意見を言った事はないだか。御隠居。》

『それは、色々ありますけれど、今一つ決め手となる所へは届いていない実情の様ですよ。

例えば、現職の国会議員先生の強い関心事の一つは、高齢者の年金をどの様にして確保するか、と言う課題を抱えているわけです。高齢者の年金を支えるのは、高齢者がそれぞれ払い込んできた資金の他に、働き盛りの成年層が支払う資金と言う実情ですが、これが、誰でも知っている様に、高齢者の人口がものすごく多く、働き盛りの成年層の数が全く足りていない、高齢者を支える人口が減少の一途を辿っている現状ですね。

この様な現状の問題を解決しなくてはならない事情にあるのですが、国会議員の先生は、手っ取り早く、高齢者に支給する年金を少なくするとか、青年層が納める年金資金を引き上げ、増加させよう、と言う全く目先の短絡的な施策を考えるのに汲々といている有様ですね。しかし、それを実施すると、次回の国政選挙でどうなるのか、そればかり心配となるのですよ。この様な状況で、国会議員の先生は、もっぱらこの立場で「少子化」問題を捉える事になるので、手っ取り早く、女性が子供を沢山産めば良いのだ、などと言った発言が飛び出して来るのですね。この発言の結末の詳細については、失念してしまいましたが、たちまち女性側から総スカンを食っていましたね。年金確保のために、女性は沢山子を産めば良いなんて、短絡的な時代錯誤の甚だしい先生の様でした。

しかし、問題は、口には出さないが、心の中に、基本的にはこの様な考えを持つ、先生がかなり存在しているのでは無いでしょうかね。だから、仲間内の会合で、ポロリと本音が出たりして、これがメディアに嗅ぎつけられて、大騒ぎになるケースが見受けられますね。独偏ですがね。

メディアでは、毎年出生数が減少の一途にある事を報じていますね。

その原因は色々考えられていますが、最も注目されているのは、ご夫婦としては、子供を欲しいが、家庭の経済的な事情から、子供を作るのを躊躇しなくてはならない状況にある、と言う事の様ですね。

この問題については、答えは明白ですね。端的に言えば、行政が、妊娠、出産、育児、教育、医療等に関する支援をしっかり行う。この事により、この問題は解決する話ですが、問題は、行政が適切な対策を実行するかどうかに掛かっている、と言う事です。

例えば、国会議員先生の妊娠、出産、育児、教育等に関わる基本的な事柄は、当該夫婦・家庭が行うべきと言う考え方が根底にあるのでは無いでしょうか。この様な考え方で何とかできた時代があったのでしょう。この様な時代は、家族が、祖父母、父母、子供、父母の兄弟姉妹と言った構成が支配的であったので、子育てが夫婦だけの負担にはならなかったのですね。家族の皆んなが、手助けしてくれるわけです。しかし、時代と共に、家族構成がすっかりと変貌してしまった現状です。また、以前は、各家庭は、地域共同体との強い関係が存在し、困った時には、隣近所が助け合うと言うのが、当たり前でしたが、今は、以前の様な地域共同体はすっかり変貌してしまっていて、日常の助け合いは姿を消してしまった状況ですね。だから、夫婦だけで子育てするのが、なかなか厳しい状況になっていますね。

この様な状況を以前の状況に戻す事は、もはや無理の様に思われますね。

とすると、子育て対策は、行政が行うより無いのですね。これは、行政がやるか否かの決断に掛かっている事です。どうせ避けて通れる問題でないのは明らかですから、行政はさっさと腹をくくって、実行すればいいだけの事です。実行の要点は、政治家先生が一から考えて、政策の実施に至る過程を全て担当する必要はなく、その分野の専門家から、要点を提供して貰えば事済む訳で、政治家先生が選挙対策を前提として、地元利益のためにあれこれ算段する必要はないわけです。これに政治家の先生が、自己の選挙対策を考えて、色々算段をすればするほど実施が遅れ、且つ、歪んだ部分が発生しがちとなりやすいのですよ。行政は実施に向けての決断と、それに必要な予算の算段に専念すれば良いのです。現実には、この方向でかなりの成功をおさめている地方自治体が幾つもありますから、要は、行政がその気になるかどうかが最大の問題の様ですね。

次に、「少子化」の原因として挙げられていることの一つは、近年は子供を産まない女性が増えているのではないのか、と言うところにその一因を求める意見がある様です。

これは、現社会では、極めて微妙な要素を含む難しい問題となっていますね。

一言に、「子供を産まない女性」と言っても、その内容は色々様々であり、複雑な事情がある様です。

例えば、子供を産むのを拒否(幾分強い表現で不快に感じられる方もおられるかと思いますが、事態を理解しやすいのではなかろうか思い、この様にしました。)する事情と、子供を産みたくても産めない事情(前出の経済的問題を除外)にある女性が存在しますね。これは双方、結果的には、「子供を産まない女性」と言われるのでしょうね。しかし、内容は、個々に異なります。

「子供を産むのを拒否する事情」と言っても、これは個体差があって、実に様々でしょうから、これについて平均化して論評する事は、あまり意味のあることとは思えませんね。要するに、個人の何らかの事情で、子供を産むのを拒否すると言う事ですから、この事情を知らないで、どうのこうのと言っても、仕方が御座いませんな。

分かり良く言えば、世間では、この是非が問題として、しばしば取り上げられる傾向がある様に見えるのです。そして、時に、「子供を産むのを拒否」する個々の当該事情が明らかでない状況で、結論的に「子供を産むのを拒否」するのは、怪しからんと言う論評となる場合がまま見受けられるわけですね。

「子供を産むのを拒否」と言う個々の事情についは、実に様々な内容が含まれていると思います。

例えば、本当は子供を産みたいのだけれど、病気で産めない事情があると言う場合もあるでしょう。

また、是非はともかくとして、世界の将来を展望して、悲観的な結論に達した場合、そんな将来に、子供を残す事は出来ない、と判断なさる方もおられる様ですね。

さらに、妊娠・出産・育児・教育等に自分の能力では、とても耐えられないと判断する向きも存在するかも知れませんね。

はたまた、自分は、妊娠・出産・育児・教育等に関わる厄介な事は、そもそも嫌いなのだ、そんな事はしたく無いのだ、と言う方もおられるかも知れませんね。

そしてまた、人生は一回きりだ。だから、自分のしたいことを第一にしたい。しかし、それが女性の故を以って、妊娠・出産・育児・教育等に専念しなくてはならないのは納得できない。と来ても何ら不思議でないご時世ですからね。

例えば、南極大陸に生息する皇帝ペンギンと言う種がいますね。あの産卵から成鳥に至るまでの彼女、彼らの行動を見ると、実に凄まじいものですね。概ね夏季には、海で餌をとって生活しているのですが、産卵期を迎えると、50キロから150キロ程も離れている内陸に移動し、コロニーを形成して、繁殖行動を営む事になるのですね。それぞれペアー(次年には異う相手となるそうです)が成立して、メスが産卵するのは、南極の厳冬期なのです。卵は一個しか産まない。南極にだって、夏季と言うものがあるでしょうに。なんで、こな厳しい時期に、産卵・子育てをするのかと言うと、ちゃんと理由がある様ですね。夏季迄に子を大きく育て、海に連れて行き、成長させて、来たる厳冬季に備えるのだそうですよ。

産卵を終えると、メスは卵を相手のオスに託し、自分は、獲餌のために海へ戻るのです。その距離50キロから150キロに及ぶそうで、その間をあのペンギン歩きでヨチヨチと行くのですよ。実にケッタイなことをする種でんなー。

一方、卵を託されたパパペンギンは、立った状態で、自分の足の上に卵をセットして、下腹部の弛んだ皮でそれをスッポリ包んで、それを孵化するまで、2ケ月以上もじっと佇んで温め続けるそうです。夫婦交代で卵を温めると言う方法はとらないのだそうです。50度以下にもなる雪原で、頭に雪を積もらせて、暴風雪にさらされて、一切食物をとらずにですよ。時に雪を食べるとか。南極の雪は、どれほど栄養があるのかねー。所詮、雪は雪だよねー。実にケッタイな種でんなー。孵化の頃には、もーパパはヘロヘロでしょうなー。育児休暇を取っている人間パパ、育児は大変でしょー。落ち込んだ時には、南極のパパペンギンを思い出しましょうね。

孵化する頃、ようやく海に出ていたママが戻ってくるのですよ。あの長距離をヨチヨチ歩きでね。たっぷりお腹に獲った餌を蓄えてね。これが孵化した子の餌になるのですね。

ここに至って、パパは、遠い遠い海まで、空腹を突いて、ヘロヘロになって、ヨチヨチ歩きで出かけるのですよ。途中で絶命するものもあるそうです。

皇帝ペンギンの生活は、この繰り返しですよ。贔屓のタレントのライブに出かけることも、おー寒ーい、味噌ラーメン一丁、なんてゆかないのですよ。淡々と、次世代に命を繋げる行為に専念する一生なのですね。皇帝ペンギンは動物の中で、最も過酷な状況で繁殖をする種と言われてますね。何でこの様な事になったのでしょうかね。

次世代に命を繋げる行為は、生命体に課せられた最も大事な営みと言えるのでしょうね。

この様な南極の皇帝ペンギンの繁殖行為から見ると、ついつい人間のご夫婦が、子供をつくらないのは、誠に怪しからん行為だ、と言う結論に達してしまう向きが出てくるのですね。

しかし、人間は皇帝ペンギンではありませんから、その様な短絡的な結論は、忽ち如何なものか、となる訳ですね。

まー、とにかく色々様々な事情が存在しますね。

人間は、他の生命体とは、著しく異なった進化をしましたので、すこぶる複雑な状況に存在しています。その実状を踏まえた認識が必要とされますね。

日本では、個々人の自由が憲法で保障されていますからね。それは尊重されなければならない存在です。

妊娠して、出産までの時間は、女性にとっては、実に身体的に、また精神的に厳しいものが存在していますね。男には、想像すら不可能な事柄が存在するのでしょうね。

子供をつくると言う事は、親として、それは他に代える事が出来ない喜びの数々がある事でしょう。親は、皆んなそれを夢見るから、厳しい子育てに耐えられるのでしょうね。

が、その反面、心配事から逃れる事が出来ない事情も存在しますね。全員元気でまるまるとした赤ちゃんが生まれてくれば問題は御座いませんが、そうでは無い場合がありますから、心配は尽きる事がありませんんね。

出産は、女性にとって、正に命懸けの仕事です。この点については、男性はどうしょうも出来ませんね。産後の育児、教育面については、男性も役割分担が幾分可能となりますが、出産だけはね。女性に担当してもらう他はないですよ。いくら小器用な男性がいたとしても、こればかりは、あきまへんわ。男女平等とはいかないのですね。だから、どっか別の側面で、バランスをとる必要が存在するのですね。

少子化」は女が子供を産まなくなったのが原因だ、と言う発言をしていた男性政治家先生に、できる事ならば女性になって、3回くらい妊娠から、出産・育児に至る経験をしてもらったら、何と言いますかね。世界が一変するのでは。

なお、「少子化」は女性が子供を産まなくなったのが原因だと言う意見は、近年女性の社会進出が顕著となり、結婚をしない女性、晩婚の女性が増加した様に見える社会背景を理由に、この様な意見を指摘する向きもあるのでしょうね。

尤も、今風の女性の社会進出以前において、女性が仕事をしていなかった訳では御座いませんよ。例えば、自家経営の場合は、今もそうでしょうが、女性は、結婚すると、家業・家事は当然、妊娠、出産、育児についても万事担当している訳で、この負担はすこぶる重い状況ですね。サラリーマン世帯では、以前から、専業主婦が一般的とされていた女性が、いわゆる共稼ぎをする確率が増加した、と言うのも、女性の社会進出増加と言われる一面ですよね。

なおまた、以前は、女性は、婚前に花嫁修行をもっぱらすることが一般的であったのが、そうではなく、会社勤めに出る様になった、と言うのが、これも女性の社会進出の一面ですよね。

と言ったところが、女性の社会進出の増加と言われる実情でしょうか。これらのことが、未婚や晩婚などの事柄と結びつき「少子化」の一因になっていると言う指摘がある訳ですね。

この点についての判断を、どうすべきかは、なかなか微妙なところがあります。

会社勤めをしながら結婚をし、子供を産み、育てると言うのが、現状では、多分一般的なのでしょうね。それは言うまでもなく妊娠・出産・育児・教育という事柄を会社勤めと同時にやらなくてははならないと言う事態ですので、すこぶる厳しいわけです。この厳しさにめげず努力して子育てしているのが、未だ一般的な状況なのでしょうね。

ところが、一方に、こんな厳しい子育ては嫌だと、子供を産まない女性が増加しつつあるのも現状なのでしょうね。

だから、この厳しいのが嫌だと言う事で、子供を産まないと言うのは、どうであろうか、とする意見がかなり根強く存在しているのでは、と言う気がしますね。

個々の事情について、それに関わる判断基準を設定して、その基準に照らして、是非の判断をするよりないのでは、と思われますが。

個々人の自由は、認められなくてはならない事情がありますから、難しい問題ですね。

子供を産みたくても産めない事情(前出の経済的問題を除外)にある御夫婦についても、個々の事情が異なる事でしょうから、それに合わせて考えるよりないでしょうね。

要するに、それぞれ止むに止まれぬ事情が存在しているでしょうから、「少子化」は女性が子供を産まなくなった事が、原因だから、女性が子供を沢山産みさえすれば、問題は解消だ、と言う様な単純な能天気なことを言っている様では、到底問題解決には、程遠いですね。

この点についての専門家は、多数いらっしゃるでしょうから、そのご意見を参考にして、判断基準の設定をしなくてはなりませんね。

ただし、色々な決まりごとを作ったからと言って、女性が子供を産むことになると言う保証があるのでしょうか。世界では、宗教的な立場などからも、色々な考えがある様ですが。

しかし、次世代に命を繋ぐ事は、生命体に課せられた最も大事な営みである事を否定すれば、論理としては、人類は滅亡する事になりますからね。ただし、女性が子供を産まなくなっ事よりも、人類を滅亡に近づける事柄は、他にも多々存在しますからね。

とにかく、ボケジジーが、どうのこうの言ったところで、解決につながる事はないですから、難しい問題です。』

 

《御隠居、そろそろ要点をチャチャとオネゲーしますだよ。そーでねーと、次の特上の問題へ中々進めねーだから。オネゲーしますだよ。》

『また、特上の心配ですか。なんだか、国会議員先生の選挙対策に似てますねー。そもそもの発想の根底がねー。』

《そーなんですら。世の中、特上に越した事はありませんだよ。御隠居。》

『ちょっとダラダラしてしまいましたので、要点をチャチャとヤッツケましょか。

要点は、簡明ですよ。

行政が、安心して子育てをできる環境を整える事。この一事につきますね。これは、行政が腹を括って、断行するより方法は御座いませんよね。

まずは、妊娠・出産・育児・教育、医療等に関する無料化の実現に向けて、政治家が断固決断する事ですね。

そして、先ずは、家庭の経済問題が解消すれば、子供を作りたいと希望している御夫婦の方が、多くいらっしゃいますので、この方々に協力をお願いしてはいかがでしょうかね。即ち、まず第一に、子育てに当たるご夫婦に、支援金を支給する事です。ケースバイケースで、色々と施策を調整する必要があるでしょうが、その辺りは徐々に整備するとして、とりあえず、子育てをする御夫婦に、当面の目標月額30万円を支給しましょう。これは心を広くして、子育てご苦労様手当としましょう。財源は、国、地方自治体および企業の三者が分担したり、クラウドファンディングなど、広く寄付を仰ぎ支援の基金を作るなど、色々広く考えて、子育てしているご夫婦を支援すれば良いのでは、と思うのですよ。その他、子育てに関わる諸方面の費用は、無料とする方向で、グズグズせずに、テキパキと促進しましょう。

これくらいのことをしなければ、「少子化」は解消しませんよ。解消しないと言うことは、「少子化」によって発生する全ての問題が、延々と何時迄も続くと言うことを忘れてはいけませんね。

これらの基本課題について、従来は、目先の関心の強い部分に個別に対処する方法がとられて来てますが、個々に対処すると言う事になると、個々に政治家が自己の都合で介入しだし、予算のぶん取り合いになり、結局のところ対策が纏まり難くなるのですよね。どうしても、選挙対策の方向に直ぐに走り出しますからね。

また、関心の強い部分から徐々にやる対策が取られると、これだと早く恩恵に預かる部分と、後回しになってしまう部分が発生しますので、国民全体の平等感が薄く、後回しになったところがバカを見なければならない事になる訳ですね。だから、基本的なところを全部ひっくるめて、無償化する方が、将来的には望ましい様に思われますね。多分関心の高まっている各部分部分の手直し対策よりも、纏めて無料化に踏み切った方が、行政的に望ましい、簡単に言ってしまえば、手間暇金を掛けずに済む体制が成立する事になると思われますがね。問題の部分を各関係省庁に分散してやるよりは、新たに専門の「庁」を設置して、集中的にやった方が合理的の様に思えますけどね。何でも関係する各省庁に分担させるやり方は、各省庁間で重なる部分が必ず発生しますから、税金の有効な使い方に反するのですよ。それよりも、各省庁間の調整を図るのは、極めて困難なことですからね。

まー、問題は色々御座いましょうが、「少子化」問題は、社会の隅々まで関わる大きな問題ですから、基本的な方向をまず見定める事が大事な事ですね。

と言ったあたりで、どうでしょうね。六さん。』

《いやー、決着が付きましたね。やれやれこれで、持ち越されていた次の問題が解決されれば、本日の課題がゼーンブ解決と言う事ですだな。御隠居。》

『はー、今日の課題はもうゼーンブ解決済みですよ。』

《御隠居、トボけられては困りますだよ。特上、特上の一件が、まだ未処理ですだよ。》

『仕方御座いませんね。それでは、三択で参りましょう。次の内、どれでも結構です。特上を奢りましょう。「 1.心太 2. 蒟蒻 3.白滝」 六さん、さー、どれでもお好きなものをどーぞ。』

《御隠居、これは無いでしょー、これは。》

『どーぞ、御遠慮なく。』

《そー、来やしたか。それでは、オラも三択と行くだよ。

A 鰻重

B 御寿司

C すき焼

御隠居、遠慮せずに、好きなのをどーぞ。》

『オヤ マー、六さん、そんなに無理なさらなくてもいーのに。でも折角だから、私は 「C すき焼」 と言う事にさせて頂きますわ。六さんは、どれにしますか。1.心太 2.(蒟蒻 3.白滝。』

《な、なんです。そりゃー。御隠居。話が噛み合ってませんぜー。》

 

〈こんにちは。失礼いたします。御隠居さん。〉

『はーい。少々お待ちください。

これは、これは、六さんの奥様。』

〈どうも、失礼いたします。内の宿六お邪魔しておりませんでしょうか。〉

『ハイハイ、六さんならいらっしゃってますよ。』

〈恐れ入りますが、ちょっと呼んで下さいませ。〉

『六さん。奥様ですよー。』

《ヒェーッ、こんな時に限って、また。なんか、急用でもできたのか?》

〈何言ってんの。もう昼ですよ。お暇しなくては。

御隠居さん、いつもいつも長っ尻で、申し訳御座いません。〉

《いえいえ、とんでも御座いませんよ。どうぞ、奥様もご一緒に、特上でもいかがですか。》

〈いつもバカな事ばかり言っているのでしょうね。本当に、申し訳御座いません。さー、帰りますよ。〉

《昼飯は、なんだ。》

〈あんたの大好物のすき焼にしますよ。白滝山盛りの特上にしてあげますから。〉

《ヒエーッ、参ったね。》

 

てな次第で、ここで些か中途半端ではありますが、終わりにいたします。

どうもお疲れ様で御座いました。懲りずに、又のお越しをお待ち申し上げます。

お後がよろしい様で。