《停念堂閑記》150

《停念堂閑記》150

 

「停念堂寄席」」87

  

 

「政治上の問題 2 」

 

 

ようこそ、「停念堂閑記」へ。よくお越し下さいました。厚く御礼申し上げます。 

ここでの話は、相も変わらぬ、毎度、毎度の代わり映えのしない、アホくさい、バカバカしい、クダラないと言う三拍子を兼ね備えた、行き当たりバッタリの、要するにマヌケな話で御座います。

しかし、取り柄もございますよ。深刻にならないところです。夜、眠れなくなったりしませんからね。

すぐに忘れちゃっても、なんら問題は御座いませんよ。 

なんちゅったって、目的がヒマ潰しですからね。

あるお方が申しておられましたよ。

ヒマ潰しにやることは、須(すべか)らくアホくさいものだと。

まさにその通りで御座いますな。間違いおまへん。

ところが、このアホくさい中から、時に、凄い事が産まれる場合もあるんだってさ。有るかないか分からないほど、ものすごくマレにね。まー、皆無と言って良いくらいにね。

しかし、アホくさい事は、所詮紛れもなくみんなアホくさい事なんだそうですだよ。

間違い御座いません。毎度毎度の《停念堂閑記》がそれを証明しておりますからね。 

定年後の御同輩、きっと、持て余しているのでは。

毎日のヒマを。

お互いに、持て余しているヒマを、なんとか、あの手、この手で潰さなくては、ならないのですよ。

しかしですね。これは、これで、なかなか。ケッコウ手間隙かかるのですよ。

手間隙かからなかったら、ヒマ潰しにならないだろうって、ですか。

その通り。至極、ご尤もなご意見で御座います。同感、同感で御座いますよ。 

と言うことで、本日も張り切って、手間隙を惜しまず、たっぷり手間隙をかけて、連日のヒマと言う強敵に挑むことに致しましょう。

 

打倒! ヒマーッ!

A A O!  エイエイ、オー!!

ヒマ潰しとは、申せ、些か次元の低い、掛け声でんなー。

情けねー! トホホ。

   

《さて、今日も今日とて、あいも変わらず、御隠居の処で、ヒマ潰しとするか。

御隠居、防犯装置を取り付けたからな。行ったら、まず、このカードを御隠居の家の門に取り付けられたカメラにかざす様にと言う事だな。あとは、案内のAIの声に従う様に、と言う事だな。このカードを忘れたら、門前払いと言う事だ。カードを忘れてはなんねーなと。このカード、ポイントつくのかね。

オーイ、カカー。ちょっくら御隠居の処へ行って来るぜー。》

<アイよー。ゆっくりしといで。帰って来なくてもいーから。>

《いちいち憎ったらしい事を言いやがるね。帰って来なくてもいー、だってよ。そのくせ直ぐに迎えに来るくせに。

 

おっ、着いたね。このカメラだな。へいへい、カードをこうかざしてと。》

〝これは、六さん、今日もしらっしゃいましたか。ずいぶんヒマなようですね。〟

《うるせーや。AI野郎、気楽に六さんなんて呼ぶんじゃねーよ。ヒマだろうが、忙しかろーが余計なお世話よ。トットと開錠しろってんだ。》

〝それでは早速ですが。六さん。今日は、俳句に挑戦してもらいますよ。皆をうなづかせる様な秀作を期待してますよ。

《今日は、俳句ときたか。皆をうなづかせる様な秀作だと、気楽なことを言ってんじょねーよ。AIよ、とやかく言うのなら、お前が作ってみろよ。》

〝 私は、そのような立場には御座いません。〟

《ハァー、どんな立場にいるんだ ? 》

〝そりゃー、六さんが来たら、課題を出す立場ですよ。できた作品を適当に評価し、開錠の是非を判定するのですよ。

無駄話は禁物です。

それでは始め。残り2分59秒、58秒、57秒、早く取り掛かった方が良いですよ。時間がなくなりますから。〟

《てやんで。オイ AI 、なめんじゃーねーぞ。俳句なんざーお茶の子さいさいよ。》

〝 時間がどんどん無くなりますよ。〟

《やいAI、これでどうだ。

  菜の花や サッと湯がいて ワサビ和え

どうだ。美味そーだろう。》

〝なんじゃ、こりゃ。冗談やっているヒマは御座いませんよ〟

《そんじゃー、続けて二句だ。

 カキ食えば リンゴもナシも 食いたいよ

 カキ食えば ブドウもミカンも 食いたいよ

どうじゃー。AI。これでも喰らえ。》

〝六さん、あなた気は確かですか。真面目にやって下さいよ。こんなの御隠居に知れたら、直ちに、出入り禁止となりなすよ。〟

《てやんでー。続けて三句だ。

 古池や 水が澱んで ドブ溜まり

 古池や メタンガスが 湧いている

 古池や かわず落っこち 息絶えた 

どうだー。降参か。さっさと、開けろ。》

〝六さん。救急車呼びますよ。本当に。下手くそなパクリぞこないばかり。残り、30秒ですよ。〟

《頭の準備運動は、これっくれーにして、本番だぞー。腰抜かすなよAI!

モミジ特集だ。

 散歩道 つむじ風にや 舞うモミジ

 木枯らしに 散りゆくモミジ 寂しげに

 山茶花の 咲く道端に モミジ舞う

 モミジ背に 雪虫飛びて 襟を立つ

 手をかざす たき火の向こう モミジ散る

 赤ちゃんの ちっちやなお手手 紅モミジ

さー、どーだ、AI。サッサと開錠しろってんだ。》

〝はい、3分経ちました。〆切です。

まったく、最初からこのようにやれば良いでしょうに。手間暇かけさせて。困ったものですね。〟

《バカヤロー、手間暇かけなくては、ヒマ潰しにならないだろーが。最初から、俳句などどうでも良いのだよ。本来の目的は、ヒマ潰しなのだから。分かってねーのか。ぼんくらAI。トットと開錠しろ。》

〝そーは簡単に参りませんよ。こちらだって、手間暇かけなければならない事情は、同じですよ。たとえ箸にも棒にも掛からないヘボな句にせよ、適切に評価して、開錠の可否を決定しなければならなのですよ。〟

《どうでも良いからトットと開けろ。》

〝さて、 

 菜の花や サッと湯がいて ワサビ和え

 カキ食えば リンゴもナシも 食いたいよ

 カキ食えば ブドウもミカンも 食いたいよ

 古池や 水が澱んで ドブ溜めだ

 古池や メタンガスが 湧いている

 古池や かわず落っこち 息絶えた

ナンジャコレのこの6句は、大負けに負けて、いずれもマイナス15点とし、都合マイナス90点です。

すなわち、100点満点ですから、六さんの持ち点は差し引き僅かに10点と言う状態です。合格ライン60点には、50点足りないと言う状況です。

そして、無い頭を無理やり絞った、

 散歩道 つむじ風にや 舞うモミジ

 木枯らしに 散りゆくモミジ 寂しげに

 山茶花の 咲く道端に モミジ舞う

 モミジ背に 雪虫飛びて 襟を立つ

 手をかざす たき火の向こう モミジ散る

 赤ちゃんの ちっちやなお手手 紅モミジ

この6句は、これも大負けに負けて、1句プラス8.4点と評価し、都合50.4点と評価します。ギリギリですな。大負けのオマケと言うことをくれぐれもお忘れなく。〟

《なんだ、その中途半端な8.4点と言うのは。AIよ。お前の出来栄え評価の基本は算数か。基本で心得違いをしているのではないのか。俳人秋尾敏先生に入門して、もそっと適切な評価を出来る様に勉強し直しなさいよ。まったく、あんたのデータを作った奴の御里が知れるわ。》

〝何ぞ不服が御座いますか。なんだったら、1句8.3点にしても良いのですよ。都合49.8点にしても、一向に構いませんよ。0.2点足りない。泣けてきますなー。どうですか。有難く審査結果に従いますか。〟

《てやんでー。オラー、どっちだって、かまやーしねーよ。前回は、「開く戸佳話賞」受賞をアカン、アキマヘンと門を開けてくれなかったからなー。ペケには慣れっ子よ。トットと帰ってやろーじゃねーか。

ただし、いい加減にした方がいいぞ。門前払いばかりしていたら、ご隠居に愛想つかされて、お払い箱になるぞ。気をつけろや。

ジャーな、アバヨ。》

〝チョット、チョット、六さん。待って下さいよ。

60点で合格、と判定しているではないですか。〟

《なにおー。59.8点でも良いと言ったばかりではないか。実にいー加減な判定だな。ふざけんじゃーねーよ。手間暇取らせんじゃーねーよ。アバヨ。》

〝待って下さいよ。六さん。2回続けてでは、御隠居が退屈がりますから。とにかく、今日のところはギリチョンの60点と言うことで、開錠致しますから、どうぞお入り下さいませ。〟

《やだね。オマケの60点なんて、オラの正義が許さねーよ。アバヨ。》

〝ロクさん、そー気を悪くしないでさー。お入り下さいよ。御隠居が待っておりますから。〟

《おい、AI。それならそれで、お願いする時の作法と言うものがあるのではないかい。ちゃんと筋を通してもらおうじゃーねー。》

〝どうすればよろしいのですか。〟

《先ずは、結果ありきを前提としたすっとぼけた算数的評価をまず改めてもらわなくてはな。そのためには、とりあえず秋尾敏先生の門下に入り、俳句のイロハを教わってから、出直して貰いてーもんだな。

AIよ。オメーらは、情報収集はお手のものだろう。1分間待ってやるから、俳句のイロハの情報をかき集めてみなさいよ。

さー、始め。59秒、58秒、57秒、さっさと検索しないと、時間切れとなるだよ。》

〝なんか、立場が可笑しかーないですか。〟

《残り30秒だよ。サッサとやんなさい。ぼやっとしてると、お払い箱になるよ。》

〝ハイハイ、情報収集終わりましたよ。〟

《ハイは一回でいーだよ。これまで何度も注意しただろうが。》

〝どーも失礼いたしやした。それで、どうします。〟

《情報収集したら、早速その収集した情報を使用してもらわなくてはな。チョット試してみるか。まず、

 菜の花や サッと湯がいて ワサビ和え

この句の良さが分かるようになったか。》

〝「ワサビ和え」でいいのですか。「菜の花」の場合は「辛子和え」では御座いませんか。今収集した情報では、「辛子和え」ですよ。〟

《なにを惚けたことを。「辛子和え」などと言う、そんじょそこらにありふれた事を。この句ではあえて「ワサビ和え」としているのが、まったく分かってねーだな。「ワサビ」と言ってもそんじょそこらのスーパーで売られているチューブの絞り出しの練りワサビではねーだよ。北海道産のバリバリの「山ワサビ」だよ。この根をおろしガネでおろしたてをサッと湯がいた菜の花に和えるだよ。まず、辛さの先に特有の甘さが感じられるね。その後に爽やかな辛味が来るわけよ。

 菜の花や サッと湯がいて ワサビ和え

この句がこの味の深さを漂わせているだよ。それを汲み取ることができないようでは、話になんねーよ。AIの限界だな。徹夜で勉強して出直して来いや。

ジャーナ、アバヨ。》

〝チョット待ってと言っているでは御座いませんか。〟

《なんだよ、しっこいなー。頼みごとがあるのなら、ちゃんとした作法があるだろうと、言ったばかりではないか。》

〝ハイハイ承知いたしておりますよ。〟

《またまた、ハイは一回で良いと言ったばかりだろうが。》

〝またまた、失礼いたしました。

それでは、どうすればよろしいのでしょうか。〟

《そうだよ。最初から、低姿勢で来れば、いいのだよ。

このような場合は、先ずは、良くなかった点を反省して改め、丁重に謝罪すると言うのが、世間一般に見られる作法ですだよ。分かるかな。AIさんよ。あんたはこの手のデータが著しく不足しているのではないのか。態度がでかいよ。すぐに改めなさい。謙虚さを持たなくてはダメだよ。分かっているだべな。さもないと、直にお払い箱だよ。》

〝どうも、ご親切な御忠告、痛み入ります。

これまでは、データ不足により、俳句のイロハを知らずして、拙い算数的評価に走りがちの過ちを犯しました。深く反省いたしております。これからは早速秋尾敏先生の門下に入らさせていただき、俳句道の基礎を身につけ、適切な評価をできるように大いに修行に専念致したく、お誓い申しあげます。

これまでの、ご無礼を誠心誠意、心よりお詫び申し上げます。どうも失礼の数々をお許し下さいませ。

早速開錠いたしておりますので、今日のところは、ご立腹ではございましょうが、そこを是非ともお納めくだされ、どうぞ御隠居様と、心ゆくまで、ヒマ潰しにお励み下さいませ。〟

《そーだよ。やればできるではないか。以後、重々気を付けるように。》

〝どうぞお入り下さい。お足元にお気をつけ下さいませ。〟

 

《御隠居、いらっしゃいますか?》

『やー、六さん。さーどうぞ、おあがり下さい。

おばーさん、六さんですよ。お茶をお願いします。

チョット、ご無沙汰でしたね。』

《そーですだよ。御宅のAIの野郎が、ゴタゴタ御託を並べやがって、先日は、「開く戸佳話賞」候補の我が作品を認めず、アキマヘンなんぞとダジャレを言いましてね。開錠しなかったのですだよ。それで、仕方なく、帰った次第ですだよ。懲りずに、今日は、俳句を作れと言い出しやしてね。そこでアッシが、チョコチョコと作ったところ、またまた四の五の吐かしやがるんで、チョット焼きを入れてやったのですだよ。

 菜の花や さっと湯がいて ワサビ和え

と言う句の深い情緒も分からず、門前払いするようでは、お前なんざー、すぐにお払い箱になるぞ、と言ってやったら、急に態度を変えやがって、終いには、〝どうぞお入り下さい。お足元にお気をつけ下さいませ。〟なんてね。諂(へつら)いやがって。何処の誰が作成したAIなのか知りゃーしませんが、御里が知れますだよ。よもや御隠居が、作成に関わってはいないでしょうね。》

『いえいえ、セキュリティー会社が勧めてきたものですよ。

ところで、

 菜の花や さっと湯がいて ワサビ和え

と言う誠にケッタイなヘボっこい句は、どなたの句でございますか。』

《なにを隠そう、アッシ、六さんの傑作ですだよ。ケッタイなヘボッコイ句で悪うこざんしたね。この句の奥深さが分からねーようでは、やっばり、御隠居の備えたAIの作成には、御隠居も一枚噛んでいるんじゃーねーですかえ。》

『これはこれは、六さんの傑作でしたか。六さんの作としては、これはこれは正にとびっきりの傑作中の傑作ですわ。』

《ハァー。と言うことは、褒めているのですか。おちょくっているのですか。》

 

[マーマー、お久しぶりですね。六さん。相変わらず、お元気そうで。結構で御座いますね。とりあえず、お茶をどうぞ。]

《これは奥方様、お邪魔を致しておりますだ。どーぞ、お構いなく。》

[お茶請けに、何が良いかと思いましたが、ちょうど北海道の知り合いから、山ワサビを頂いて、菜の花のワサビ和えを作ったところでしたので、六さん、お口に合いますかどうか。よかったら、召し上がってみて下さい。ほんのりとした甘味があり、後から爽やかな辛味が来るのが、たまりませんよ。]《エーッ、さすがは奥方様、タイミングが良すぎますだよ。》

[六さん、菜の花のワサビ和えお好きですか。]

《そりゃー、もー、大好物ですだよ。すぐに俳句の一句も読みたくなるですだよ。》

[まー、私もですのよ。菜の花のワサビ和えを作っていたら、

  菜の花や さっと湯がいて ワサビ和え

と言う一句が、自然と湧いて出たところなのですよ。]

《ヒエッー、本当ですか。奥方様。まったく同じですら。

さー、御隠居、どーします ? 》

『これは、弱りましたなー。多数決では、不利ですなー。』

《アリャリャー、御隠居も算数的評価できますだか。これではきっとAIの作成に御隠居が噛んでるのが濃厚ですなー。》

『トッ、とんでも御座いませんよ。それは濡れ衣と言うものですよ。六さん。』

《それはひとまず置いて、菜の花のワサビ和えをご馳走になま

すだよ。》

『それでは、私も一口と。』

《どうです。御隠居。

 菜の花や さっと湯がいて ワサビ和え

この一句の味の奥深さが、実感されたでしょうが。》

『イヤー、実に含みのある奥深い味ですなー。よーくわかりましたよ。』

《そーでしょー、そーでしょー。普通、「菜の花や」ときたら、月だの日だの、はたまた東だの西だのと、色々と気を回し、色鮮やかな光景を想起させようとするだが、それはそれとして、視覚だけではなく、味覚に訴えなくては、十分でねーですだよ。やっぱり、「菜の花や」ときたら、素直に、ストレートに「さっと湯がいて ワサビ和え」と続けなくては、深い味が出ないだよ。これが俳句道の真髄と言うものですだよ。

まず、この鮮やかな菜の花を噛み締めますだよ。うーむ、良い味加減ですだよ。

奥方様、お代わりをおねげーできますだか。》

[ハイハイ、少々お待ち下さいませ。]

『六さん、ハイは一回で良いと注意しないのですか。』

《奥方様の場合は、二回が三回でも、全然なんら問題ねーですだよ。御隠居、そんな細かいことに気を回す様では、長生きできませんよ。》

『もー、六さんたら、調子が良いのだから。』

[どーも、お待ちどう様でした。大盛りにしましたので、ゆっくりお召し上がり下さいませ。どうぞごゆっくり。]

《奥方様、どうもお手を煩わせまして。遠慮なく、いただかせてもらいますだよ。

御隠居、今日は、菜の花のワサビ和えにありつけましたので、特上うな重の心配はご無用ですだよ。》

『もー、六さん、調子が良過ぎませんか。

それは兎も角として、何か、話題を仕込んできたのでは御座いませんか。』

《そーそー、それですだよ。今日は、かなり堅い素材を用意して来ましただよ。》

『堅い素材ですか。よもやカリントウではないでしょうね。』

《オット、御隠居。ソー来やしか。それならそれでも、構わねーだよ。あっしは、好きですだよ。カリントウ談義と行きやしょーか。》

『いやいや結構です。食べ物は、今日は菜の花のワサビ和えで十分ですよ。本題で行きましょう。』

《他でも御座んせん。政治絡みの事ですだよ。

はえー話が、衆議院参議院の話ですだよ。今のようなこの両院の制度は、ほとんど意味がねーのでは、と思うだよ。例えば、とある案件が、衆議院で可決された場合、次に参議院に回されて審議され、否決された場合は、衆議院に回されて、結局、成立する、と言うことですわな。これは、手間暇かけて、その法案の可決・実施を遅らせただけではねーですかえ。御隠居。》

『そーなんですよね。その案件については、両院で審議したのだから、より慎重に審議した、と言うことにはなるけれど、結果的には、衆議院で出した結論と同じ事になる訳ですね。見方によっては、甚だ無駄な結滞な事ですよね。六さんのご指摘の通りですね。』

《しかもですだよ。衆議院参議院の議員の与野党の構成は、選挙結果は、いつもほぼ同じ構成となるだよ。要するに、衆議院参議院の与党と野党の議員数は、両院とも同じ傾向になる場合が、多いだよ。だったら、両院で審議したところで、衆議院で行われた議論と参議院における議論はほとんど同じことの繰り返しで、結論は同じと言うことに落ち着く訳ですだよ。こんな両院の設置に意味がありますかっんですだよ。》

『そうです、そうです。言ってやんなさい、言ってやんなさい。その上、前に言ったように、参議院で否決された案件が、衆議院に差し戻されて成立することになりますから、結局は、参議院での議論・結論はほとんど意味がないと言うことですよ。だからこの両院の存在については、基本的なところから検討し直さなくてはなりませんなー。』

《だいたい、こんなことは、政治にはトーシローのアッシでさえ疑問を持つのに、専門家の国会議員さん等は、なんで気がつかねーのですかね。御隠居。》

『さーね。とっくに気がついていると思いますがねー。』

《とすると、現職の国会議員さんは、なんで改革しようとしないのでやんす。御隠居。》

『さーね。きっと、自分にとって、利益にならないと思っているからではないでしょうか。きっとね。』

衆議院参議院の制度を変えると、現職の国会議員さんは、不利益を被ることになるだか。御隠居。》

『まー、改革の内容によるでしょうが、一般的には、選挙では、現職が圧倒的に有利ですからね。だから現職の国会議員さんは、このような有利な事態を敢えて変えようとはしたがらないでしょうね。』

《と言うことは、国会議員さんのご都合主義ではねーですか。国会議員ちゃー、国民のために働かなければならない存在ではねーだか。御隠居。》

『建前はねー。ただし、自分に関わる事になると、自分優先になるのではないでしょうか。私の独偏(独断と偏見の短縮形)ですがね。』

《ほんじゃー、なんでそんな人が国会議員に収まっているのですだべ。》

『それは、国政選挙で国民有権者が、そのような人を選んだからに他ならないからですよ。』

《と言うことは、そのような人が国会議員に相応しいと、有権者の多くが判断していると言うことだか。》

『まー、分かりやすく言えば、そー言うことになるでしょうね。結果的にはね。』

《それならば、衆議院参議院の制度改革は、永久に実現不可能と言うことですだか。御隠居。》

『そーですね。それに近い様に思われますね。私の独偏では。』

《そこを何とか行きませんですかや。御隠居。》

『ダメでしょーね。例えばですよ。六さんが衆議院参議院の制度改革をすべく政策を掲げて、六三党を立ち上げたとしますね。それが、どうしたことか、もの凄い反響があって、何と何と次の国政選挙で、第1党となり、衆議院参議院両院に於いて何と何と過半数を越す、議員を得た、となりますと、この目指す両院の改革が実現するでしょうね。』

《オラが総理大臣に就任すると言うことですかや。御隠居。》

『そんな事はあり得ないでしょう。六さん。』

《そーかなー。ヒョットして・・・》

『ヒョットしません。断じてヒョットしません。100パーセントしませんよ。六さん。』

《御隠居。ここはヤケに自信満々キッパリとに断言しますだな。》

『はいはい、これは自信満々キッパリと断言できますよ。』

《そー、自信持たれたのでは、可能性ゼロだな。》

『そーです。100パーセントゼロです。間違いおまへん。』

《と言うことは、衆議院参議院の改革は、早い話が実現しない、と言うことだな。御隠居。》

『まー、現職議員さんでは、できることではないでしょーね。甚だ残念ではありますが。アキマヘンですな。』

《前回に引き続き、アキマヘンか。》

『せっかくですが、今回の六さんのご提案は、大変大事なことではありますが、今の現職国会議員さんに期待しても、完璧にアキマヘンな。』

《では、この話題でのヒマ潰しは、アキマヘンなー。》

『残念ながらアキマヘン。これまでです。

今日は、せいぜい、「菜の花や サッと湯がいて ワサビ和え」の句で、俳句の奥深い味わいならず、菜の花のワサビ和えの深い味わいで、我慢することに致しましょう。』

 

どうもお疲れ様でございました。

お後がよろしい様で。

またのお越しをお待ち致しております。