《停念堂閑記》148

《停念堂閑記》148

 

「停念堂寄席」」85

 

 

「 「政治上の問題」1」

 

 

ようこそ、「停念堂閑記」へ。よくお越し下さいました。厚く御礼申し上げます。 

ここでの話は、相も変わらぬ、毎度、毎度の代わり映えのしない、アホくさい、バカバカしい、クダラないと言う三拍子を兼ね備えた、行き当たりバッタリの、要するにマヌケな話で御座います。

しかし、取り柄もございますよ。深刻にならないところです。夜、眠れなくなったりしませんからね。

すぐに忘れちゃっても、なんら問題は御座いませんよ。 

なんちゅったって、目的がヒマ潰しですからね。

あるお方が申しておられましたよ。

ヒマ潰しにやることは、須(すべか)らくアホくさいものだと。

まさにその通りで御座いますな。間違いおまへん。

ところが、このアホくさい中から、時に、凄い事が産まれる場合もあるんだってさ。有るかないか分からないほど、ものすごくマレにね。まー、皆無と言って良いくらいにね。

しかし、アホくさい事は、所詮紛れもなく皆んなアホくさい事なんだそうですだよ。

間違い御座いません。毎度毎度《停念堂閑記》がそれを証明しておりますからね。 

定年後の御同輩、きっと、持て余しているのでは。

毎日のヒマを。

お互いに、持て余しているヒマを、なんとか、あの手、この手で潰さなくては、ならないのですよ。

しかしですね。これは、これで、なかなか。ケッコウ手間隙かかるのですよ。

手間隙かからなかったら、ヒマ潰しにならないだろうって、ですか。

その通り。至極、ご尤もなご意見で御座います。同感、同感で御座いますよ。 

と言うことで、本日も張り切って、手間隙を惜しまず、たっぷり手間隙をかけて、連日のヒマと言う強敵に挑むことに致しましょう。

 

打倒! ヒマーッ!

A A O!  エイエイ、オー!!

ヒマ潰しとは、申せ、些か次元の低い、掛け声でんなー。

情けねー! トホホ。

  

バカバカしい話で、暫しのヒマ潰しにお付き合い下さいませ。

 

《さて、今日も今日とて、あいも変わらず、御隠居の処で、ヒマ潰しとするか。

御隠居、防犯装置を取り付けたからな。行ったら、まず、このカードを御隠居の家の門に取り付けられたカメラにかざす様にと言う事だな。あとは、案内のAIの声に従う様に、と言う事だな。このカードを忘れたら、門前払いと言う事だ。カードを忘れてはなんねーなと。このカード、ポイントつくのかね。

オーイ、カカー。ちょっくら御隠居の処へ行って来るぜー。》

<アイよー。ゆっくりしといで。帰って来なくてもいーから。>

《いちいち憎ったらしい事を言いやがるね。帰って来なくてもいー、だってよ。そのくせ直ぐに迎えに来るくせに。

 

おっ、着いたね。このカメラだな。へいへい、カードをこうかざしてと。》

〝これは、六さん、今日もいらっしゃいましたか。ずいぶんヒマなようですね。〟

《うるせーや。AI野郎、気楽に六さんなんて呼ぶなよ。ヒマだろうが、余計なお世話よ。トットと開錠しろってんだ。》

〝それでは早速ですが。六さん。今日は、気の利いた川柳を作ってもらいますよ。一定の水準に達していると判断される場合は、門の錠が開きます。達していない駄作の場合は、開錠致しませんよ。トットと、お帰り願いますからね。時間は、3分間です。

それでは、どーぞ。始め。2分59秒、58秒、57秒。早く作らないと時間切れになりますよ。〟

《今日は、川柳ときたか。川柳については、オラちょっとうるせーだぞ。》

〝うるさいのは困りますよ。大声を上げないで下さいよ。御近所迷惑ですからね。くれぐれも、煩くせず、お静かに願いますよ。〟

《てやんで。オイ AI 聞いて驚くな。そっちこそ、びっくらこいて、大声をだすんじゃねーぞ。

〝 時間がどんどん無くなりますよ。〟

《ナメんなよ。AI。やってやろうじゃねーか。

闇雲に取っ掛かっても上手く行かねーな。

まずは、最初に、テーマを絞らなくてはな。漠然とやってはナンねーぞ。

それからテーマは狭くては、まずいな。分かる人は分かるが、分からない人には、チンプンカンプンだからな。ある程度の広がりを持つテーマでなくてはな。

とすると、未だ誰しも関心度の高いのは、コロナかな。》

  残り1分半です。お手上げですか。〟

《しゃらくせー、1分半あれば川柳の二つや三つ、お茶の子さいさいてなもんよ。》

〝 左様でございますか。では、どうぞごゆるりと。秀作を期待してますよ。〟

《何が秀作だよ。並でいーの。並が一番。ただし寿司は特上に限るな。御隠居の処に来る目的は、特上に有り付く事だからな。

さて、コロナね。良い加減に終わりになって欲しいものだな。

と言う事は、

 「もーそろそろ 終わるコロナり 新コロナ」

と言ったあたりが、みんなの期待するところかな。

でも、ちょっと弱いな。ヘボいダジャレと言われそーだなー。

「新コロナ そろそろ収まる コロナりか」

大して代わり映えしねーか。》

〝 その辺が限界ですか。残り30秒ですよ。〟

《ナンの ナンの。しゃらくせー。

 「待ち遠し さらばマスクは いつの日か」

 「寝ぼけたか マスクを捨てたは マボロシか」

中々、閃かねーな。》

〝 はい 時間ですよ。と言う事は、

 「もーそろそろ 終わるコロナり 新コロナ」

 「新コロナ そろそろ収まる コロナりか」

 「待ち遠し さらばマスクは いつの日か」

 「寝ぼけたか マスクを捨てたは マボロシか」

の4句ですか。ただただ数打てば良いと言うわけでは御座いませんよ。下手な鉄砲は、全部外れるちゅう事がありますからね。肝心なのは、質ですよ。質。分かってますよね。六さん。〟

《コーラ。気安く六さんなんて呼ぶでねーだよ。》

〝 ビックリこいて、大声を出すほどのものには、巡り会えませんでしたよ。残念な事です。〟

《おー、そーですかってんだ。期待に添えず、悪かっただな。そんじゃー、サイナラ。》

〝 チョット、チョット、六さん。チョット、お待ちなさいよ。

そー簡単に帰られては、こちらの立場もありますからねー。御隠居のヒマ潰しを奪ってしまっては、御隠居との関係がこじれ兼ねませんからね。その辺の忖度があっても良いのではありませんか。六さん。〟

《気安く六さんて呼ぶなっちゅーんだよ。忖度なら政治家先生相手にやったらどーだ。ヘッポコAIさんよ。

じゃーな、アバヨ。》

〝 まーまー、ここは穏やかに民主的に話し合う、と言う手が残されているではないですか。〟

《バーカ、一人で民主主義やってろ。》

〝 そんな無茶な。いくらAIとは言え、一人で民主主義はできませんよ。

まず、善後策といきましょう。なんぞ、上手い方法がありますかね。六さん。〟

《気安く六さんて呼ぶなっちゅーんだよ。何度言っても分からない奴だな。ホントに。だいたい、自分で言い出した事を、ひとに振るなよちゅーの。》

〝 これは失礼致しました。それでは、こう言う事でどうでしょうか。

川柳は、取り上げて、驚くべきものでは御座いませんが、せっかく4句も作った、その努力を評価すると言う事ではどうでしょう。〟

《だからどーだっつんだよ。結論をさっさ言えよ。手間の掛かる奴だ。ホントに。》

〝 ハイハイ。それではと・・・〟

《ハイは、一回でイーつーの。全く。》

〝 ハ・・・、ハーハー、かしこまりました。〟

《ヤロー、上手く逃げやがったな。》

〝 それでは、駄作ながら4句と言うわけですから、1句15点として、合計60点と言ったところです。ギリギリの合格とします。おおまけで開錠としましょう。

さー、トットと入られよ。〟

《何がトットとだよ。とんだ手間を取らせやがって。最初からそーすりゃー良いのによ。最初から。

 

御隠居。お待たせ致しやした。六さん、参上でやすだよ。》

『いらっしゃい、六さん。今日もお元気そうで、なによりですねー。』

《へー、それだけが取り柄でして。今日は、AIの野郎が、川柳を作れと言いやがって、出来がどうのこうのとグタグタ抜かすので、チョット焼きを入れて来たところですだ。》

『それは、どうもご苦労様でしたね。』

《前回は、小話を作れ、と言われましてね。今回は、川柳をなどと言うだよ。次回からは、何を作れと言いますかね。》

『それは、私にも分かりませんね。小話、川柳とくれば、俳句とか短歌、都々逸とか、はたまた芥川賞級の小説とかノーベル賞級の発明とか言いだすかも知れませんね。』

《御隠居、良い加減に脅しっこなしですだよ。幾ら何でも、芥川賞級の小説とかノーベル賞級の発明はないでしょー。》

『いやいや、AIは、六さんのことを、スーパーマンウルトラマン級の存在と認識してるかも知れませんよ』。

《御隠居、冗談じゃーねーですだよ。スーパーマンウルトラマン、はたまた鉄腕アトム、ドラエモンだって、ノーベル賞を受賞した話は、聞いた事がねーですだよ。》

『きっと、AIは、六さんにすごく期待をしているのですよ。』

《そんな買い被りは、頭っから御免ですだよ。》

『それでは、ノーベル賞は、ノーベル飴賞にしましょう。ただし、特上にしますから、六さんの好きな特上ですよ。頑張って下さいよ。』

《御隠居、特上のノーベル飴なんて、そんなのあるだか。聞いた事ねーだよ。特上とくれば、やっぱり鮨とか、鰻重とかでねーですかえ。御隠居。》

『ところで、六さん・・』

《オット、御隠居、そんなすっとぼけて、話を変えようとして。さすが、年の功を感じさせますだなー。》

『それはもーそーとしまして、六さん。今日のテーマは何ですか。何か、仕込んで来たのでしょー。ヒマ潰しのネタを。』

《またまたボケちゃって。そーは行かねーだよ。今日は、何がなんでも、特上に辿り着かねば。前回はしくじったからなー。御隠居、覚悟してくだせーよ。》

『しようがありませんね。それでは、特上中の特上を用意いたしますから。』

《特上中の特上でやすか。御隠居。今日はいきなり気張りましただなー。トコロで、何ですだ。特上中の特上とは。》

『厳暑中の今時には、なくてはならない、トコロテンですよ。キリッと冷えたトコロテンです。六さん。』

『ハー、何かおっしゃいましたか。御隠居。

トコロテンはないでしょー。トコロテンは。いくら特上とは言え。御隠居。頼みますだよ。暑中の特上と言えば、うな重を置いて他はねーですだよ。』

『六さん、トコロテンはお嫌いですか。』

《別に、トコロテンは、嫌いじゃーござんせんよ。》

『では、決まりですね。今日は、特上のトコロテン。しかも、食べ放題。何だったら、角のお豆腐屋さんの、絹冷奴もお付け致しましょうか。』

《御隠居、豆腐は勘弁して下せーよ。豆腐は。モー、コリゴリですだよ。見たくも、聞きたくもねーですだよ。》

『そうでしたね。角のお豆腐屋さんは、六さん、鬼門でしたね。』

《豆腐を出されては、降参ですだ。心を太くしてトコロテン、結構ですだよ。その代わり、丼いっぱい、トコロテンコ盛りで行かせていただきやすから、御隠居、覚悟して下せーよ。》

『ハイハイ、承知致しましたよ。カラシもテンコ盛りでね。何だったら、氷を入れて、タライいっぱい、いや浴槽山盛りと行きますか。シャワーで汗を流しながらのトコロテンは、中々オツなものですよ。きっと。』

《ヘイヘイ、浴槽でもプールでもお付き合い致しますだよ。参ったねー。ホント。

ところで、御隠居、今日は「政治上の問題」とやらについて、ちょっと御指南をと思いやしてね。》

『「政治上の問題」ですかー。つい最近、参議院議員の選挙がありましたからね。時機にあったテーマですね。

それで、「政治上の問題」が、どうだと言うのですか。』

《まー、端的に言ってしまえば、そりゃー、まー、色々山盛り、プールが幾つあっても足りないくれーですだよ。

例えば、現在の制度では、国会に国民の声が届き難いと言う点が挙げれるだよ。》

『そーですねー。候補者や政党は、選挙運動では、耳ざわりの良い事ばかり並べてますからねー。選挙後、掲げた公約に向けて最大の努力をしているかと言えば、どーでしょーね。』

《そーですだよ。要するに、日本の国政の基本は、代表民主制だから、国民は国政選挙の時に、自分の意見を代表して活動してくれる人を候補者の中から選出して国会へ送り込む訳ですだよな。

ところが、当選後は、あの選挙運動の時に、叫んでいた歯が浮くような耳ざわりの良い公約と称する事柄について、どれほど実現に向けた活動をしているのか、個々の議員さんの様子がさっぱりわからねーだよ。中には、当選してしまえば、もー、こっちのものだとばかり、自分の政治信条のゴリ押しばかりで、選出してくれた国民の声など、どこ吹く風になってしまうのもいるだから。》

『そーなのですよ。代表民主制の限界を感じますね。』

《御隠居だってそー感じてるだよな。そこでですだよ。一つ提案があるだよ。》

『閃きましたか。六さん。』

《いやー、大した事ではねーですだが、こーしたら、どーですだべ。

要するに、当選した国会議員の一人一人の政治活動を、国民が簡単に知る事が出来るシステムを作ってはどうかと思うだよ。御隠居。》

『それは、良さそーですね。具体的にはどの様ですかね。』

《色々と考えられるけんど、あまり小難しいややっこしいのはダメですだよ。誰もが、一目で分かる単純明快のが良いと思うだよ。》

『例えば、どんなイメージですか。六さん。』

《そーだな。思い付きだけんど、例えば、国会議員個々人の活動を示すページをインターネット上に作るだよ。そして、誰でもがアクセスできて、その議員の活動を見る事が出来る。と言ったイメージですだよ。》

『それは分かりやすくで良いですね。ところで、その個々の議員さんのページには、どのような事が載せられるのですか。』

《それは、議員の基本的な活動を示す項目を設定し、何時、何処で、どう言う事を行なったかを表示してはどうか、と思うだよ。そこで、国会の〇〇委員会に出席、とか〇〇後援会へ行った、とか〇〇イベントで講演したとか、基本的な活動の概略がわかるようなページを作っておいて、それに、議員が秘書でも良いから、毎日とか1週間ごとに記入する、としてはどうかと思うだよ。ちゃんと記入されていなければ、見る側は、その議員について、それなりの評価が出来ると言う訳だよ。さらに、議員側の自由に記述できる欄を作っても良いし、細かな事は、この後詰める事にして、このようにすれば、国民は、議員の活動が大ざっばにでも把握する事ができるのでは、と思うだよ。どうせ、議員の大半は、ネット上に自分のブログを作って、色々情報を流しているのだろうから、これを統一的にまとめる事も良いのでは、と言う提案ですだよ。

このようにすれば、国会議員さん側にもメリットがあるだろうし、国民側にも当然メリットがあるだよ。

仮に、この線に沿った事が実現すれば、議員さんは可なり緊張する事になるのでは、と思うだよ。

それから、国民が今現在、各政党、各議員にどのような要望を持っているのかが、一目で分かるぺーシを作成して、一定の方式に従って書き込めるシステムがあると良いと思うだよ。どうですだべ。御隠居。》

『流石は、六さん。それは名案ですね。是非、実現する事を願いますねー。』

《そこなんですだよ。実現、そこが難題ですだよ。

例えば、このような事を国がその政策として行なった方が良いか、それとも、国とは関係なく民間で行う方が良いか、と言う意見の違いが、まず考えられるだよ。はたまた、両方でやったら良いのでは無いか、と言う意見もあるかも知れねーだし。この意見の違いを埋める事は、相当難儀な事で、実現は、程遠い感じもするだよ。》

『そーでしょーね。国が行うとすれば、国会で可決しなくてはならなくなるでしょうから、これは、現状では、各政党、各国会議員の賛成を得ると言う事は、中々難しいと思いますね。それぞれ、メリットもあるけれども、デメリットもあると思われますからね。要は、次の国政選挙に大きく影響が出る可能性を秘めているように思われますからね。』

《国の政策でやることが難儀となれば、民間でやるよりない、と言う事になるだな。民間でやるとなると、そこには、それなりの問題があるだよ。例えば、経費の問題だよ。国でやると言う事であれば、国費でやる事になるから、国会で可決されれば問題ないのだけんど、民間でやろうとすると、その経費を集めなくては、実現しないだよ。

そこで、御隠居。御隠居の資産を全部投入する気構えはござんせんか。これが一番、手っ取り早い方法と思われるだよ。》

『六さん、あなたね。言うに事欠いて、そう言う事を言いますか。あなたね。こんな話をしている間にも、私の頭脳は、六さんの特上トコロテン代をとのように工面しようかと悩んでいるのですよ。冗談では御座いませんよ。他の方法を考えて下さい。他のを。』

《そーですだな。特上がすっ飛んじゃっては意味ねーな。

それでは、奥の手で、ジャンボ宝くじ、と言うことではどーですだべ。10億あれば、なんとかなるでねーだか。》

『そーなれば、しめたものですね。大賛成ですよ。

なんちゃって。六さん、そんなこと実現しますかね。』

《御隠居、そんなに真面目にならねーで下せーよ。ほんの息抜きの冗談ですだよ。冗談ですだ。》

『六さん、こんな話真面目に聞くほどヒマな人はいませんよ。もっと、可能性のある事を考えてみて下さいよ。ホント。』

《それでは、本当の奥の手を出す事にするだよ。近年の集金術として、もっとも可能性の高いのは、インターネットで、これに賛同するお方に、寄付金をおねげーしますだよ。可なりの賛同者はおられる筈ですだよ。日本中に、国会議員や政党の活動に関心を持っている人は、物凄く多数存在しているだよ。この方々に協力をおねげーすれば、きっと、なんとかなるだよ。例えば、国民1人に1円の寄付をお願いしても、1億円は集まる計算ですだよ。今は、オンラインでチャチャーとやれるだから。

御隠居は、よもや1円と言う事はねーでしょー。いやいや、御隠居だけにしわ寄せしようと言うのではねーですだよ。アッシだって、特上にはこだわらねー事にするだから。並で結構ですだよ。並で。御隠居は、アッシに特上を奢ったつもりで、並との差額を、ポンと寄付してくれるだけで、いーですだよ。》

『六さん。全く調子の良い事を。真面目にやって下さいよ。』

《御隠居、冗談ですだよ。冗談。息抜きですだよ。

まー、賛同者の寄付に期待する事は、真面目に考えて良いかも知れねーだよ。

それから、このプランに乗ってくれる情報企業があれば、そちらの事業として、広告収入や利用料金を取ると言った方法もあるかも知れねーだよ。と言うような事で、資金面の対策は、あれこれ考えれば、何とかなるとして、もう一つ難題があるだよ。》

『次の難題とは、何だい?   六さん。』

《ここで、そーきますだか。御隠居。オラだってキレーじゃーねーだよ。そっちで、ヒマ潰ししますだか。》

『失敬、失敬。失言取り消し。本筋をおすすめ下さい。』

《御隠居だって、ケッコウ調子いいではねーですか。

本筋に戻すと、難題の一つは、これは政党や国会議員の協力なくしては、難しいと言う事ですだよ。果たして、システムを用意しても、それに政党や国会議員が情報を書き込んでくれるかどうかですだよ。これがなくては成り立たねーだよ。》

『そーですね。この点が最も問題となる点ですね。

国会議員各自は、現在、それぞれネットで独自のブログを開設したりして、色々と情報を発信しているでしょうが、それは端的に言えば、自己の必要としている事だけを発信すれば良い訳です。ところが、六さんのプランでは、国民の多くが知りたいと思っている事柄を対象としていますので、事情によっては、国会議員各自にとっては不要な事も書き込まなくてはならない側面を持ってますからね。どれほどの協力を得られますかね。全員と言う訳には行かない様な気がしますね。』

《と言う事は、賛同してくれる国会議員のみが、実質的な対象者となると言う事になる訳ですだな。まー、それでも無いよりは、マシと言う事だから、最初は、その辺りから始めるより無いのかも知れねーだよな。》

『現実的に、その様にならざるを得ないかも知れませんね。しかし、実際に稼働して、国会議員にメリットが生じたりしたら、協力者がグンと増えるかも知れませんよ。むしろ、これに協力しないと、選挙に向けて、具合が良くないと言う風潮でも出れば、あっと言う間に、協力してくれる様になるかも知れませんしね。』

《そうなればしめたもんだなー。御隠居。そうなりゃー、本物特上うな重ものですな。》

『やっばり、特上に行ってしまうのですか。六さん。そうなった暁には、大盥テンコ盛りのウナギ櫃まぶしと行きますか。』

《そう行きやしょー、そう行きやしょー。予約完了。特上大盥テンコ盛りウナギ櫃まぶし。》

『AIを調節して、開錠しない様にしなくてはね。・・・』

《御隠居、何か言っただか。》

『いえいえ、気のせいですよ。気のせい。空耳でしょー。空耳。お天気も、雨模様になってきましたよ。』

 

〈こんにちわ。失礼いたします。御隠居さん、内の宿六がお邪魔しておりませんか。〉

『ハイハイ。今開けますから。少々お待ち下さい。

これはどうも六さんの奥様。良くいらっしゃいました。どうぞお上り下さい。

六さん、奥様ですよ。』

《ヒェー、もー、カカーが迎えにきやがった。》

〈雨が降ってきたので、傘を持ってきたのですよ。さー、もーそろそろお暇しましょう。〉

《もーそろそろって、これから特上のトコロテンを・・》

〈また、何を訳の分からないことを。トコロテンなら、特売のを買い込んでありますから、盥にいっぱいでも、好きなだけ食べれば良いでしょう。さー、お暇しますよ。

御隠居さん、どーもお邪魔致しました。〉

《おい、特上と特売では、話が違うだぞ。》

〈さーさー、ほれ傘、傘。〉

《分かった。分かったって。

御隠居、まだ参議院の改革について、提案があるんだけんど、それは、明日に回す事にしますだよ。

どうも、お邪魔さんでござんした。》

『それでは、次回の六さんの閃きを楽しみにしておりまよ。

AIに負けず、また、お越し下さい。』

 

てな事で、どうもお疲れ様でした。今回はこれまで。

お後がよろしい様で。