《停念堂閑記》146
「停念堂寄席」」83
「イヤミ」
本日も、「停念堂閑記」に、ようこそお越し下さいました。厚く御礼申し上げます。
せっかくお越し下さいましたが、ここでの話は、相も変わらぬ、毎度の代わり映えのしない、アホくさい、バカバカしい、クダラないと言う三拍子を兼ね備えた、行き当たりバッタリの、要するに間抜けな話で御座います。
深刻にならないところが、取り得ですよ。
夜、眠れなくなったりしませんからね。
すぐに忘れちゃっても、なんら問題は御座いませんよ。
なんちゅったって、目的がヒマ潰しですからね。
あるお方が申しておられましたよ。
ヒマ潰しにやることは、須(すべか)らくおよそアホくさいものだと。
まさにその通りで御座いますな。間違いおまへん。
ところが、このアホくさい中から、凄い事が産まれる場合があるんだってさ。ものすごくタマにね。
しかし、アホくさい事は、紛れもなく殆どアホくさい事なんだそうですだよ。
間違い御座いません。《停念堂閑記》がそれを証明している代表的なものですだ。
定年後の御同輩、きっと、持て余しているのでは。
毎日のヒマを。
お互いに、持て余しているヒマを、なんとか、あの手、この手で潰さなくては、ならないのですよ。
しかしですね。これは、これで、なかなか。ケッコウ手間隙かかるのですよ。
手間隙かからなかったら、ヒマ潰しにならないだろうって、ですか。
その通り。至極、ご尤もなご意見で御座います。同感、同感で御座いますよ。
と言うことで、本日も張り切って、手間隙を惜しまず、たっぷり手間隙をかけて、連日のヒマと言う強敵に挑むことに致しましょう。
打倒、閑、暇、ひま、ヒマーッ!
A A O! エイエイ、オー!
ヒマ潰しとは、申せ、些か次元の低い、掛け声ですなー。
情けねー! トホホ。
毎度バカバカしい話で、しばしのヒマ潰しにお付き合い下さいませ。
「御隠居、今日もヒマ潰しに、来ましただよー。定刻の出勤ですだよ。」
『いらっしゃい、六さん。今日もお元気そうで、なによりですねー。』
《へー、それだけが取り柄でして。》
『私も、お医者様と薬には、随分長い間お世話になってませんねー。
実は、六さん。お待ちしてたのですよ。今日は、六さんにお伝えすることがあるのですよ。
《なんですだ。それは。》
『それはね。明日から、タイムカードを使うことにしますからね。』
《御隠居、何ですだ。それは。》
『いやね。このごろ、色々と物騒な事が起きているでは御座いませんか。ガスの検査です、なんて言って、上がり込んで強盗に変身する事件など起きているではないですか。
それで、私のところにも、防犯システを着けることにしたのですよ。』
《なるほど。御隠居のところは、年寄りだけで、無用心だからな。昼間はアッシがちょくちょく顔を出すだから、でーじょうぶだけんど、毎日毎日と言う訳には、いかねーからな。
アッシが来れねー時の対策を考えなくてはなんねーな。
それと夜間がしんぺーだな。
夜は、アッシは用事がねーだから、何だったら、泊り込み制にしてもいーだよ。》
『いえいえ、そこまではご心配いただかなくても、こちらで何とか手を打ちますから、大丈夫ですよ。』
《ところで、御隠居のつける防犯システムとは、どんなんでやんす。》
『某会社のAI防犯システムなのですが、基本的には一般的なものですが、六さんの来宅の場合は、特別のオプションをつけたのですよ。』
《アッシは、特別オプションのご厄介になるのでやんすか。御隠居。》
『これなんですよ。これ。このカードを玄関の壁に設置したカメラに、ちょいとかざして下さい。そしたら、六さんのご来宅が、リビングのモニターに映りまして、あっ、六さんだと言う事がすぐにわかるのですよ。そして、それがカードに記録されるのですよ。明日から、このカードを使って下さいね。』
《エエーッ、御隠居。そんなこと始めたのですけー。驚いたなー、モー。出欠が記録されるのですけー。》
『そうです。毎日出欠をとることにしましたよ。カードに全部記録出来ますからね。それから、これがすごい機能なのですよ。』
《御隠居、すごい機能と来やしたね。何です。それは。》
『このカードをカメラにかざすと、ドア鍵の解除に接続するのですよ。ただし、すぐには開きませんよ。このカメラは、某所のAIシステムにつながっており、そこから、解錠に必要な問題が出ますので、その問題をクリアーしなくては、ドアは開かないのですよ。』
《えーっ、問題が出て正解でないと、入る事ができないのですかい。》
『そーなんですよ。六さん。その問題を知りたいですか。』
《アッシは、テストがでーきれーですだよ。御隠居。門前払いする積りですけー。》
『それが、六さんの大好きな問題ばかりですから、ご安心くださいよ。』
《何です。それは。食い物のことですけー。御隠居。》
『いやいや、そんなのでは御座いません。それはね、お笑い関係なのですよ。AIが納得する出来栄えでしたら、すぐにドアが開きますから。』
《何でやんす。御隠居。そのお笑いとか言うのは。》
『それは明日のお楽しみ。六さんの実力を見せて下さいよ。明日は、来たらすぐにカードをカメラにかざして下さいよ。そしたら、問題が出ますから。すぐに対応して下さいよ。』
《何だか、嫌な予感がしますだなー。》
『いやいや、六さんでしたら、チョチョイのチョイですよ。楽しみですねー。』
《しかし、来る人、来る人に、これをやるんですかい。郵便配達さんにも、やるんですかい。》
『いえいえ、カードを使用するのは、六さんだけですよ。六さんとのヒマ潰しの一環ですから。』
《カードは、アッシ専用ですかい。参ったねー。》
『明日から、お願いしますよ。
ところで六さん。今日のお目当ては何ですか。何か、仕込んで来たのでしょー。ヒマ潰しの材料を。』
《おっと、そーでやした。御隠居、今日は「イヤミ」について、ちょっと御指南をと思いやしてね。》
『「イヤミ」ですかー。シェー!ですね。何か気に掛かる事が御座いましたか。』
《いや、そんなてーした事ではねーのですがね。内のカカーがね。時々チクリチクリと「イヤミ」を言いやがるのですだよ。何で「イヤミ」を言いたくなるのでやんすかね。》
『それは六さん、私に聞くより、奥様に聞いた方が早いのではないですか。』
《御隠居。それができるくれーなら、アッシだって、御隠居に相談に来たりしねーだよ。ここのところが中々問題でして。》
『色々と御事情がおありですよね。人それぞれみんな特有の事情がありますからね。事情があるのは、特に珍しいことでは御座いませんよ。六さんも、そんなに気する事はありませんよ。』
《いや、てーして気にしているわけではねーですだよ。ただね、人間は、どーして「イヤミ」を言いたくなるのかなーと、ふと思ったのですだよ。》
『六さん、それは簡単な理由ですよ。「イヤミ」を言いたくなったので言うのではないですか。』
《だから、どうして言いたくなるのかちゅうことですだよ。御隠居。》
『だから、言いたくなるからですよ。六さん。』
《御隠居。頼みますよ。これではいつ迄経ったも、キリがねーだよ。その、簡単に言っちめーば、御隠居のいつもの、それ屁理屈ではねーな。ちょっと、理屈ぽい匂いのするヤツですだよ。その辺りをおねげーしやすよ。ダジャレっぽくていーだから。》
『匂いのついた理屈ですか。それは、屁理屈ではないですか。六さん。』
《御隠居。気を悪くしねーで下せーよ。屁理屈ではねーですだよ。何と言えばいーかと言うと、そーだなー、それらしきもっともな説明とでも言えばいーだかな。》
『らしき説明ですか。六さん。』
《御隠居。頼みますよ。チョコチョコっとでいーだから、どうして、「イヤミ」を言いたくなるのか、そのあたりのことを、御隠居らしく、アッシに分かるように、説明して欲しいと言うことですだよ。》
『六さん。あなたチョコチョコっとなんて、気軽に言いますが、この手のことは、これで中々難しいのですよ。私は、心理学を勉強して来た訳では御座いませんから、人の心の中のことなど、分かりませんよ。』
《そこを何とか、チョコチョコと、と言うことですだよ。そーだ、ヒマ潰しだよ。ヒマ潰し。ヒマ潰し話と言うことでどーですた。御隠居。》
『ヒマ潰しなら、私は好きですよ。何ちゅったって、これを潰さなくては、一日、退屈ですからね。』
《よし、これで決まりですだな。御隠居。》
『それでは、ヒマ潰しをしますか。どこからとっかかりましょうかね。風呂敷を広げすぎると、収拾がつかなくなってしまうので、狭い意味の「イヤミ」限定で行きましょうか。』
《行きやしょー、行きやしょー。ドンドン行きやしょー。御隠居。》
『六さん、あなた中々調子がいーですね。参ったね。ホント。それでは参りましょうか。』
《行ってらっしゃいませ。御隠居。》
『それでは、手っ取り早く「イヤミ」とは何か。と言う辺りから参りますかね。』
《御隠居。それなら、アッシ知ってるだよ。「イヤミ」。出っ歯で、ピンクの洋服を着て、「シェー!」ってやる人ですだよ。》
『そー来ましたか。それでは、一応おつき合いで、私も「シェー!」と行きますよ。』
《御隠居もおつき合いがいーだな。じゃあ、アッシも「シェー!」》
『お互い、ヒマ潰しには、これに限りますなー。』
《皆さんも、ご一緒に「シェー!」》
『キリがありませんよ。六さん。
「イヤミ」は、言うまでもなく、相手に不愉快な思いをさせる言動のことですよ。』
《それっくれーは、アッシも知ってるだよ。いつもやられてるから。問題は、「イヤミ」が何処からやって来るのかちゅーことですだよ。その辺りを、御隠居、おねげーしますだよ。》
『それはね。六さん。「欲望心」からくるのですよ。きっと。』
《エッ、「欲望心」でやんすか。何処にあるだよ。御隠居。》
『何処にあると思いますか。六さん。』
《それは、えーと、そうだ、山の彼方の空遠くから来るのではねーですか。御隠居。》
『それは、「イヤミ」ではなくて、幸いでしょー。
でも、幸い、すなわち「幸福」も「イヤミ」も同じところから来ると言う事ですかね。』
《エー、「イヤミ」と「幸福」が、同居してるんですかえ。御隠居。》
『まー、そう言う事でしょうね。「イヤミ」と「幸福」だけではなく、まとめると喜怒哀楽、好き嫌いに通じるものは、みんな同じところにあるようですね。』
《何処です。それは。御隠居、チャッチャッと教えて下せーよ。》
『チャッチャッとですか。これは、きっと、人の心の中にあるのですよ。』
《エーッ、人の心の中にでやんすか。
と言うとアッシの心にもあると言う事ですけー。とすると、どの辺りですだ。この辺りでやんすかねー。御隠居。》
『この辺りって、六さんは、そこはヘソではありませんか。ヘソに心を蓄えているのですか。』
《それもそーだな。ヘソは、ゴマの貯蔵所だからな。心が入る余地はねーか。ねー、御隠居。》
『そーでも無いみたいですよ。
例えば、相手の腹を見抜くなどと言いますから、腹に本心があるのかも知れませんよ。』
《御隠居、間違わねーで下せーよ。アッシは、腹とは言ってねーだよ。アッシが言ったのは、ヘソ。ヘソですだよ。だから、ヘソに心はねーだよ。あるのはゴマだけですだよ。》
『へーそーでしたか。』
《御隠居。そーゆーレベルの低いダジャレは、品格を疑われるだよ。》
『それでは、六さんの心は、結局、何処にあるのですか。』
《何処にあるかは、アッシが御隠居に尋ねているところですだよ。ヘソでねー事は明らかだな。とすれば、ココラへんかなー。》
『今度は、胸ですか。まさか、ココロ辺かなー、なんて言うつもりでは無いでしょうね。』
《またまた、御隠居。そーゆーレベルの低いダジャレは、品格を疑われると言ったばかりだよ。御隠居も、お疲れのようなので、ココラでちょっくら休憩と行きますだか。》
『それそれ、六さんだって、そんなダジャレを。品格を疑われますよ。』
《ダジャレをやってても埒があかねーな。御隠居。そろそろ何処にあるのか、教えて下せーよ。》
『そんな事は、私には分かりませんよ。
それぞれが、腹にしまってあると思う人は、腹にあるのでしょうし、胸に忍ばせていると思う人は、胸にあると思っていれば良いのでは無いのですか。
結局は、感情も思考も脳の管轄するところと了解すれば、頭にある、と言うことになるのではないですか。
六さん、オーノー! なんて言わないでしょうね。』
《御隠居、先回りして言ってしまってはダメですだよ。ここは、アッシの番だったのに。先に言われてしまった。オーノー!》
『手遅れですよ。早い者勝ちですからね。ダジャレは。』
《結局は、心が人間の体の何処にあるのか、と言うことを探ろうとする事は、あまり意味がねーと言う事だか。》
『そう言う事でしょうかね。要するに、人には心があると言うぐらいのことで良いのではないですか。
六さんの関心事からすれば、「イヤミ」は心の何処にあるのか、と言うことになるのではないのですか。』
《さすが、御隠居、マトを得てますだよ。その通りですだよ。》
『と言う事は、心の構造と言うことになりますかね。六さん。』
《御隠居、そう言う難しいことになると、それは、すぐさま睡眠薬となり、アッシの脳は、オーノー! となりますだよ。》
『そのダジャレはやったばかりですよ。ノーカウントですよ。』
《御隠居、ダジャレはいーだから、分かりやすくおねげーしやすよ。》
『よくは分かりませんよ。人には心があり、その心には欲望があるのですよ。きっと。
そして、その欲望は、その人その人によって、色々な要素からなっているのですよ。
例えば、金持ちになりたい、かっこ良い洋服を欲しい、美味いものを食べたい、立派な家に住みたい、高級車が欲しい、と言うような物質を手に入れたいと言う欲求の他に、博識と言われる人になりたい、偉くなって人の上に立ちたい、他人から尊敬されたい、ものすごく有用なこと成し遂げたい、何事も他人より優位に立ちたい、あるいはスポーツですごい記録を作りたい、とか色々な欲求がありますね。
それらの中に、他人を見下したいと言うような、ちょっとヘソの曲がったのもあるのですよ。
すなわち、自分の欲求の実現や好みに反すると判断されることを排除したい、小言を言ってやりたい、と言うような欲求があるのですね。
その場合、排除する行為が、色々とあると思われますが、その一つとして、現れるのが、邪魔になると言う対象に向かって、「イヤミ」なことをする、と言う行為が出現するのでは無いのか、と思われるのですよ。』
《なるほど、要するに「イヤミ」をすることも、一つの欲求と言うわけですだな。御隠居。》
『そーだと思いますね。
ただですね。自分の欲求の実現に、邪魔になると判断される対象に、「イヤミ」なことをして、あーサッパリしたと感じる人と、そうではなく、あんな「イヤミ」やらなきゃよかったと自己嫌悪に陥っしまう人もいたりするのですよ。
それから、そもそも「イヤミ」を実行する以前に、ブレーキをかけてしまい、実際には「イヤミ」をやらず仕舞いにしてしまう人もいますね。
個々人の性格によるところでしょうね。』
《御隠居。人の性格によって、違うと言うことでやすか。》
『そのように思われますねー。例えば、人の性格は、好き嫌いに現れやすいですよね。
ここの話題の「イヤミ」に関して言えば、「イヤミ」をやるのが好きな人、と嫌いな人がいますよ。』
《アッシのところのカカーは、どっちかと言うと、好きな性格だな。アッシはいつも、その餌食になってますだよ。御隠居。》
『餌食にですか。そんな事はないでしょー。いー奥様では御座いませんか。六さん。』
《まー、あれで、いーとこもあるだよ。パチンコの玉だけぶつけなければね。》
『パチンコの玉、まだ残っているのですか。あれは効きますよね。』
《あのパチンコ玉の「イヤミ」はどこからくるのですかねー。御隠居。》
『それは、六さんがパチンコ玉など、持ち帰ってきたからですよ。それも、節分に。だから、六は外と、やられちゃうんですよ。』
《今年の豆撒きはパチンコ玉撒きになってしまったからな。
と言うと、「イヤミ」の好きな人と、嫌いな人がいるとなると、その違いはどこからくるのですだ。御隠居。》
『また、小難しいことを持ち出しますね。六さん。
それは、きっと、生まれた時から持ち合わせているのですよ。そして、それに、成長するに従って、環境から得るものもあって、結局、その結果、「イヤミ」好き、と思われる性格になるのではないのでしょうか。』
《人は、気に食わない奴に「イヤミ」をやったら、気持ちがサッパリするのですかね。御隠居。》
『それは人それぞれではないですか。
それ、今しょっちゅう話題となっている、車の運転の、それ煽り運転、あれなどは典型的な「イヤミ」とも思えますね。ちょっと割り込まれたりすると、それだけでカチーンとくる人と、さして気に止めない人がいるでしょ。カチーンとくるタイプの人は、煽ったりする「イヤミ」な行動に出やすいですよね。その時は、やり返してやったと言う満足感を得られるのではないのでしょうかね。「イヤミ」はやる人が満足するかどうかだけですからね。』
《煽り運転で、警察に捕まって、なんで煽ったかと、尋ねられると、運転マナーが悪い奴だったので、注意するつもりでやった、などと言っている人が多いようですだが、あれはやっぱり、注意する行為ではないですだよなー。気に食わなかった奴にする「イヤミ」に見えるだよなー。御隠居。》
『そーですね。大体はそーではないかと思われますねー。日常生活で、マナーの悪い人を見かけたからと言って、その都度いちいち注意する行為に出る人は、現実には稀ですよね。
煽り運転する人が、運転以外でマナーの悪い人を見かけたら、こまめに注意を促すかと言うと、そのような事は、中々見かけませんよ。運転に関してだけ、注意をしたくなると言うのは、不自然ですよね。煽り運転は、やっぱり「イヤミ」に属するようですね。』
《まー、気に食わねー奴にやるのが「イヤミ」と言う奴ですだなー。御隠居。》
『そうだと思いますね。六さんは、どうですか。』
《アッシですかい。気に食わない奴に「イヤミ」やりてーとは、思っても、その100分の1も、実際にはしねーだよ。グッと我慢の子ですだよ。御隠居。》
『100分の1もですか。6分の1ほどでは御座いませんか。』
《アッシが六だから、6分の1ですかえ。御隠居。安易過ぎますだよ。ダジャレにもなってませんだよ。せめて、六三分の1とか、なんとか格好つけて下せーよ。》
『なんですか。六三分の1と言うのは。』
《だって、御隠居はいつも六さんと言うではねーですか。》
『それだったら、18分の1でも良いでは無いですか。六さん。これで、格好がつきますかねー。』
《6分の1よりはマシですだよ。》
『いずれにしても、大して変わりませんな。』
《シェー!、と言うとこですだな。》
『六さん、ここでシェー!をやってしまいますか。』
《ここでは、具合よくなかっただか。御隠居。》
『最後のオチにとっておきたかったのですよ。六さん。』
《そーか。それは悪かったですだ。
とすると、今回も、オチなしですだか。》
『そのようですよ。六さん。』
《だそーです。お疲れさんでゴゼーヤした。
シェー!》
お後がよろしいようで